M44-7

プリアンプを作成しました。12AX7の6本構成。MM用のEQを内蔵。セレクター類で手持ち機材いろいろ接続できるように。

EQの負荷容量をカートリッジごとに最適化しているのですが、ほんの30pFでも違いが分かるので手が抜けません。

最初にPHONOケーブルを低容量のシールド線にして全てを2pFくらいに揃えます。差し替えごとにぐらつくと面倒ですし。

SHURE社のデータによるとTYPEIIIで400〜500pF IVだと200〜300pF M44シリーズは450pF位のようです。

RIAAカーブを計測しても良かったのですが、売り物でもないので自分の耳で好きなように聴感で調整。トーンアーム3本のターンテーブルでカートリッジを切り替えながら。

60年代のJAZZでパチパチ切り替えながら聴いているうちに、再び古いM44-7がじんわりと染みてきて。SPUとこれはいつの間にか使いやすい手前側に移動です。

未調整だと中域の持ち上がった典型的な樽型特性ですが、鳴りっぷりが妙に鮮やかで。

これを調整したらどうなるかな?と入力負荷とEQのNFBとメインアンプに組み込んであるローパスフィルターの定数をあれやこれやいじってみると、打楽器もベースもきちんと出るのにサックスの音色が埋没しない、ちょうどいい塩梅が見つかりました。

アナログの機材には「声紋」みたいなものがあると思います。帯域ごとの音量では説明のつかない音の癖、みたいなものが。

M44-7は、この音の癖がとてもいい。

もちろん、癖があるのですから原音再生を目指すハイエンドとはまるで違う世界になっちゃうのですが、休息のための遊びなんで、そういうのが正解と思っています。

SPUの癖。M44-7の癖。
食べ物の好みみたいなもんですが毎日聴くならこの2つが良いですね。

SPUは1957年発売で私のモデルは1960年代のもののようです。M44-7は1964年発売で私のモデルは68年製のようです。

SPUは押しも押されぬ名器ですが、M44-7はあえてアナログで聴く場合、いかにもそれらしい時代の音色という点では他のHiFiとは別格と感じます。

これを全部書き終わってから、M44-7がディスコンになっており、それどころかSHURE社がカートリッジから手を引いたことを知りました。幸い、JICOさんが針の生産は続けて居られるようなので定期的に購入して絶えないようにしようと思います。

フィルムカメラも今が一番使いづらい時期ですね。イルフォードが供給されなくなったら写真趣味も畳まなくてはなりません。

このブログの人気の投稿

平衡型6N6P全段差動プッシュプルミニワッター

ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ

ぺるけ式トランス式USB DAC