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伐採

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  全く手つかずの見事な森に伐採を入れるのは躊躇があります。 建物から最低5m以内の樹木は全て伐採する必要がありますよ、と現地のベテランの建設会社の社長さんに指摘されて、そんなもんかなぁ、と躊躇いつつ少し控えめに伐採しました。 その程度では駄目であることは後日思い知らされましたが。 伐採にはチェーンソーの他にも倒れる方向を制御するためのロープやカラビナ類・チェーンソーが挟まらないための楔やハンマー類・倒した丸太を運ぶためのログツール類など色々な道具が必要です。 とりあえず現地に養生シートで臨時の物置を作っての作業です。 街暮らしではまず持ち上げることのない重量を連日上げますので、腰を傷めないように細心の注意を払いました。 開梱の先達の麓の開拓農家ですが、伐採に始まり、火山地帯の巨大な岩石の撤去、整地、畑地に残る無数の石の撤去を経て、この見事な農園を築き上げています。頭が下がります。 そんな強靭な彼ら彼女らも、自然には勝てない時があり。 写真は夕立と雷鳴が遠くから迫ってきたため、一目散に避難するところです。 ひとたび雨が上がると、夏の高原には天国のような光がまた戻ってきます。

夏の森

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  高度があると夏の森でもほとんど虫は気にせずに過ごせます。 だいたい1600mを超えると蚊もいませんし、ランプに群がる蛾も少なくなります。テントを張らずに気持ちよく眠れますし、汗もかかないので夕方温泉から帰って次の朝までさらりとしています。 歩きやすくするために笹刈り歯を付けた草刈り機で敷地内を払いました。 夏はもっと美味しい草が沢山ありますので鹿達は笹だけ残してしまい、結果として近隣が笹だらけになってしまいます。 何年も刈らずにいると、徐々に茎が太くなりナイロンカッター程度では刈れなくなるので、こうした専用の歯が必要になります。 逆に毎年6月9月くらいに刈り続けていますと、徐々に細く丈の低い笹となっていきます。地下茎植物ですので他の競合種が出ない限り根絶はないのですが。 都市公園の人造林と異なり、森の木は常に厳しい気候と他の植物と昆虫や苔類や茸類などと戦いながら生きています。 腕のいい庭師に守られるわけではなく、大多数の木は途中で食われ腐り自然に倒れて、頑健なものだけが巨木になります。 都市公園では本来ならとっくに寿命で倒れているはずの木が残っていて、これが朽ちて倒れるとニュースになるのですが、残っている方が異常ですし。 頭上にのしかかってきたら大怪我しそうな自然倒木はさすがに危険なのでチェーンソーが大活躍することになります。 危険な木はあらかた伐るのですが、湿気を含んでいて干してもあまり良い薪とはならないものも多く、これはさり気なく放置しておくと、様々な生き物のゆりかごになっていきます。 落ちている岩も苔類の培地になりますし、刈り取った笹もいつの間にか朽ちて土に還っています。 輪廻のなす景色は趣深いものがあります。

高原の森

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 クロスカブで走り回って見つけた野辺山の土地ですが。 1700mほどの高さでカラマツ・白樺・トウヒ・コメツガなどの混合林。 樹皮や足元の岩には苔類がびっしり覆っていて、見事な叢林です。 まず、足元の笹を刈って敷地内に道を付けるところから始めました。 地面が見えてきたら落枝や倒木に多彩な茸類が生えていて。 ナウシカの腐海に紛れ込んだみたいです。 タープだけ張ってフォルディングベッドで寝起きしながら笹を刈っていたのですが、真夜中にランプの明かりで光る目が見えます。 昼間たくさん見かけた鹿よりは低い位置で、これは熊かな?と身構えました。ライトで照らしても距離があるので姿は分かりませんが、こちらを伺いながら囲うように歩いている。高さは膝くらいか。 身を守る物といえば草刈り機ぐらいしかないので、1時間ほど息を詰めて睨み合いでした。 翌朝、土地に詳しい方に相談したら高さからたぶん狸でしょうとのこと。 人を恐れず近づいてくるそうです。 鹿は随分たくさんいます。 木を伐採すると大量の葉つきの枝が落ちますが、それを食べに真夜中にやってくる。早朝に起き上がると母鹿とバンビがこちらを見て、やがてヒョンコヒョンコと飛び跳ねながら森の中に消えていきます。 前半身、後ろ半身を交互に踊らせるのではなく、背中を地面に水平にジャンプするのでヒョンコヒョンコとしか形容のしようがない飛び方は深い草むらを移動するのには怪我をしにくいやり方なのでしょう。

クロスカブ移住

クロスカブで東京日帰り圏はかなり行き尽くしました。 鉄道自動車自転車いずれとも違う首都圏地図が記憶野に構成されたのですが、やはり八ヶ岳界隈は印象深くて。 特に清里から奥に登った野辺山高原の美しさは別格で、ここに住んでクロスカブで走り回りたい、という気持ちが強くなりました。 そのうち、ご縁があって土地を手に入れ、開墾して山荘を建てることとなりました。 根っからの自作好きなので掘っ立て小屋でも作ろうかと思いましたが、冬の氷結が厳しいため、保温や水回りはそれなりの手間はかかりそうです。 幸い、良い建築会社さんと繋がりが出来て、素人には難しい部分のみお願いして残りは自分で気長に建てることにしました。 6月からスタートしたのですが、まず建築書届からです。

クロスカブ

だいぶ慣れてきました。 近所で中型バイクで行っていたところは一通り行きましたが、それ以上に中型では行けなかったところに行けますね。駐車場のないラーメン屋さんとか、桜が咲いてるけど停められなくてパスしていたところとか。 もちろん高速は入れませんが、自転車とバイクの中間の不思議な乗り物で下道の選択肢が増えました。自宅から日帰り圏で面白い道は新鮮な発見です。 丹沢とか奥多摩とか登山でも自転車でも知らなかった領域が表情豊かで驚きました。 アウトドア系でも中間領域は昭和時代並に人混みがなくて快適です。

クロスカブ

 トネ・コーケンさんの スーパーカブ を熟読しているうちにカブ沼にいつの間にか引きずり込まれて気を失っている間にバイクショップに発注していて、各種工具と整備パーツが部屋に積み上げられていました。正気に返ったけど後悔はしていません。 スーパーカブがいいかハンターカブがいいかクロスカブがいいかは多少考えましたが、自分の生活圏と行動パターンで路地なのか険しい山道なのか隣町の美味しいラーメン屋が主で週末にちょっと砂利道行くのかで自ずと決まってきます。 ミニクーパーのインチ工具手入れはやってましたし、自転車は部品を買ってきて全部自分で作る人なので、整備マニュアルを読むのが楽しい日々。 クルマがかなり金食い虫を飼っておりますので、バイクはフナ釣りに徹しようかと。と思いつつ工具は面白いのでいつの間にやらかなりの数が(笑)

M44-7を鳴らせるアンプ

たぶん、現行の市販品には存在しないと思います。 SHURE社が公開している技術仕様は400〜500pFの47kΩで、出力は時代によって9mV〜11mVです。残念ながら市販品は400pFまでしかフォローしていませんが、聴感で調整した限りでは450pFでジャストでした。また、かなり高出力ですのでどうしても吐き出す電圧がプリの至適入力を超える傾向があります。ロードラインがずれてしまうのです。 樽型特性の補正は負荷入力だけではダメで、RIAAの定数を少し触る必要があるかもしれません。もちろん、そのままの特性を本来の味わい、としてもよいのですが、高域側のピークを少し抑え、低域側をわずかに持ち上げると滋味豊かな代物に化けます。元の声紋が「印象的」なのです。 C22の二重補正をいじってもいいですし、マランツ7のトーンコントロール回路(EQのRIAA特性をいじるのと原理的には一緒です)をいじってもいいでしょう。残念ながらマランツ7の11段のトーンコントロールでは数値がドンピシャではないので間を聴感で拾う必要があります。さすがに同時代の製品なので入力オーバーはないです。 イコライジングと針圧を丁寧に合わせると、濁りのないピアノとベースの胴の鳴音とシンバルやサックスの金属音と、どれも「印象的」な響きがでます。 そういうアンプがないために、地味な誤った評価しか受けられないのでしょう。自作される方は挑戦する値打ちがあると思います。本物のSHUREサウンドはやはり鮮烈です。